000%

おたのしみ

第39回「狂言作者って、、、?」

こらむ

2022.01.03

みにゃさんこんにちはだにゃん!
ボク、歌舞伎にゃんバサダーの
かぶきにゃんたろう!
大好きな歌舞伎のたのしさをみにゃさんにお伝えすべくがんばってるにゃん!

みにゃさんは、「狂言作者」っていう言葉、知ってるにゃん?“きょうげんさくしゃ”と読みますにゃん。
狂言作者とは、歌舞伎の劇作家のことですにゃ!狂言とは、脚本のことを指しますにゃん。
つまり、歌舞伎のストーリーを作る、とても大事な役目を担っている人なのにゃん!

江戸時代の狂言(脚本)は、複数の狂言作者による共同作業で作られていたそうだにゃ!おおよそ10人くらいの狂言作者がひとつの興行に携わっていたけれど、その中でもリーダーを務めていた人のことを、立作者(たてさくしゃ)と呼ぶそうだにゃ!立作者は、次の興行が開催されることが決まると、座元(劇場の偉い人だにゃ!)と座頭役者(興行の中でも一番立場の偉い役者さんだにゃ)たちと相談して、演目の題材を決めて世界観を作り、物語の大筋を決めたそうだにゃ。まさしく興行をコントロールしていく役割のひとだったんだにゃあ。
脚本は立作者を中心にほかの狂言作者にも分担されて、それぞれ作っていたそうだにゃ。
脚本が出来上がって、いざお稽古!となった段階では、各幕の作者が台本を通して読み上げて、役者さんや演奏者、裏方スタッフの人たちに、お芝居のストーリーや役割、状況を細かく説明していたんだって。この作業を“本読(ほんよみ)”というそうだにゃ。歌舞伎では現代でも演出家が居ないことが多くあるけれど、当時は狂言作者が演出の役割も担っていたんだにゃあ。

コピーがない江戸時代では、台帳と呼ばれた大もとの台本はとっても大事なもの!一座の機密情報なので狂言作者の手元に残し、役者さんにはそれぞれの台詞だけを抜き書きした“書抜(かきぬき)”というものを渡していたそうだにゃ。その“書抜”を作るのも狂言作者のお仕事。でもこれは、立作者のアシスタントをしていた“狂言方(きょうげんかた)”という人がやっていたそうだにゃ!現代でいう、演出助手のような役割だにゃん!

ここまでのお話だと、狂言作者や狂言方はお芝居が初日を迎える前までのお仕事が多いように見えるけれど、実はちがうのだにゃん!彼らは、興行がはじまるとお芝居開始や終了を知らせる柝(き)を打ち、上演中に役者さんが失念してしまったセリフやきっかけをお客様から見えないように教えてあげるなど、舞台進行役を担当したそうだにゃ!これは現代の歌舞伎でも同じ。狂言作者さんは大忙しなのにゃん!
ちなみに文化年間といわれる1800年代の初めの頃には、楽屋口の近くに作者部屋(さくしゃべや)というお部屋が作られて、公演中のハプニングにすぐに対応できるように控えていたそうだにゃ。

狂言作者は、まさしく歌舞伎の舞台にはなくてはならない存在なんだにゃ~!