第93回「こえかぶ 朗読で楽しむ歌舞伎より『菅原伝授手習鑑』を紹介するにゃ!」
こらむ
2025.07.28

みにゃさん、こんにちはだにゃん!
ボク、歌舞伎にゃんバサダーのかぶきにゃんたろう!
歌舞伎にゃんバサダーのお役目を果たすべく、みにゃさんに歌舞伎の様々な魅力をお伝えしますにゃん!
今回は、2025年8月9日(土)~11日(月・祝)に行われる「こえかぶ 朗読で楽しむ歌舞伎~梅と松と桜~篇」で上演される『菅原伝授手習鑑』(すがわらでんじゅてならいかがみ)を紹介するにゃん!
「こえかぶ」とは、有名な歌舞伎の演目を現代語にしたオリジナルの朗読劇で、歌舞伎が初めての方にも身近に楽しんでいただける公演で、今回が第4弾ですにゃ!
『菅原伝授手習鑑』は赤穂浪士による仇討ちを題材とした『仮名手本忠臣蔵』(かなでほんちゅうしんぐら)、源義経を軸に狐忠信・平知盛・いがみの権太の物語を描く『義経千本桜』(よしつねせんぼんざくら)とならんで歌舞伎の三大名作と呼ばれており、平安時代の菅原道真の失脚事件を中心に、道真の周囲の人間模様を描いた物語ですにゃ。
今回の「こえかぶ」では、その中でも三つ子の兄弟(梅王丸・松王丸・桜丸)に焦点を当てたオリジナルの構成で上演されるんですにゃ。
上演される演目をちょっとずつご紹介しちゃいますにゃ。
<加茂堤>
「三つ子の梅王丸・松王丸・桜丸は、それぞれ別の主人の舎人を務めています。
梅王丸は菅丞相に、松王丸は菅丞相の政敵・藤原時平に、そして桜丸は帝の異母弟である斎世親王(ときよしんのう)に仕えています。
桜丸は妻の八重とともに、斎世親王と菅丞相の養女・苅屋姫とのデートを仲介します。
しかし、藤原時平の部下・三善清行たちに見つかり騒ぎ立てられてしまいます。騒動に気づいた斎世親王と苅屋姫は、駆け落ちを決心し人目を盗んで逃げてしまいました。
この騒動が、悲劇の幕開けとなるのです……。」
<筆法伝授>
「書道の大家でもある菅丞相は、破門した弟子の武部源蔵(たけべげんぞう)を呼び出してテストし、見事合格した武部源蔵は菅丞相から秘伝の筆法を授かります。
そんな折、菅丞相が御所から呼び出されます。そしてなんと、「自分の娘・苅屋姫に斎世親王を誘惑させ、皇位を狙った」として突然、流罪を言い渡されます。
政敵・藤原時平の謀略です。
菅丞相は捕えられ、武部源蔵はとっさに菅丞相の息子・菅秀才(かんしゅうさい)を保護し、身を隠します。」
<道明寺>
「菅丞相は太宰府へ移送される途中で嵐に遭い、法皇の家臣・輝国の迎えがくるまで養女の苅屋姫の生家に身を寄せることとなります。
苅屋姫は、菅丞相への一目会いたさに姉の立田の協力のもと、生家へ忍びいるも実母・覚寿(かくじゅ)に見つかり、厳しい折檻(せっかん)を受けます。すると突然、襖の奥から、折檻を止める菅丞相の声が。覚寿が襖を開けるとそこには、菅丞相そっくりの木像がたたずんでいるだけで……。
一方、藤原時平の一味である宿禰(すくね)太郎(たろう)は、父の土師兵衛(はじのひょうえ)とともに菅丞相を暗殺しようと企み、それが大事件を引き起こします……。」
<車引>
「藤原時平の策略で主を失脚させられた梅王丸と桜丸は、時平の牛車を襲います。時平に仕える松王丸が止めに入り三つ巴の争いに。牛車が壊れて時平が現れると、その恐ろしさに梅王丸と桜丸はすくみ上がります。
三つ子は、父の七十歳の祝宴が終わった後に決着をつけようと睨み合って……。」
<賀の祝>
「三つ子の実家で父・白太夫の七十歳の宴が開かれています。すぐに梅王丸と松王丸の喧嘩が始まり、白太夫が大切にしていた庭の桜の木が折れてしまいます。けれどなぜか、白太夫は二人を叱りません。
やがて松王丸は、親子・兄弟の縁を切る、と言い捨てて去り、梅王丸も、菅丞相の御台所(みだいどころ)(奥方のこと)と息子・菅秀才を守るため去っていきます。
兄たちが帰っていくのを待っていたかのように、桜丸が現れます。そんな桜丸に父・白太夫が差し出したのはなんと、切腹のための刀でした……。」
<天拝山>
「父・白太夫は大宰府へくだり、貧しい暮らしの菅丞相の世話をしています。
ある日、二人は近所の寺で、白太夫がかつて自宅の庭で育てていた梅の木を見つけて驚きます。なんと、京から九州まで梅の木が飛んできたのです。
そんな菅丞相を藤原時平の刺客がつけ狙っていました。
暗殺者を返り討ちにしたのは梅王丸。菅丞相を守るため、都からかけつけたのです。
そして菅丞相は、藤原時平が帝を殺そうとしていると知ります。菅丞相は怒りに震え、神通力を得て雷神として覚醒し、帝を守るため天拝山へ飛び去っていくのでした。」
<寺子屋>
「武部源蔵と戸浪(となみ)の夫婦は京都の田舎で寺子屋を営み、菅丞相の息子・菅秀才を我が子と偽り、かくまっていました。
そこへ、小太郎という品の良い子が新しい生徒としてやって来ます。
そんな中、松王丸をはじめとする藤原時平の百名もの家来が現れます。
「菅秀才の首を刎(は)ねて差し出せ」と命じられた源蔵。こうなったら、寺子屋の子どものうち誰かの首を刎ねて身代わりに差し出すしかない……。源蔵は苦悩します。
ついに、菅秀才を探す時平の家来・春藤玄蕃(しゅんどうげんば)と松王丸らが寺子屋へ踏み込んできます。生徒一人一人を確認するも、田舎の子どもばかり。
松王丸は「菅秀才は必ずいる」と迫ります。源蔵は心を決め、小太郎を殺して首を差し出します。
松王丸はその首をじっと見つめ、「菅秀才の首に相違ない」と認めて引き上げていくのでした。
菅秀才を守り切ったと安心したのも束の間、次に現れたのは小太郎の母親・千代でした。再び窮地に立たされる源蔵と戸浪。
そこで明かされる、衝撃の真実とは……!」
宿命を背負う三兄弟を演じる豪華キャストさんたちが、合計20役以上の登場人物を瞬時に演じ分ける妙技が見どころですにゃ!
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